【Adobe Stock】の審査基準と採用される為の工夫の話

昨夏に始めた Adobe Stock のコントリビュータープログラム。
初心者ながらもマイペースに1年続けたら、少しずつ売れるようになってきました。6月には「無料コレクション」というボーナスプログラム(コンテンツの買取)にも少しですが採用していただくことができ、コントリビュータープログラムの楽しさを実感できた一年でした。

今回は、年々厳しくなるAdobe Stockの審査基準と採用される為の工夫の話をしたいと思います。オマケとして誰も興味がないであろう私の約半年間のAdobe Stock生活のメモも付記しています。

Adobe Stock(アドビストック)とは…
Adobe(アドビ)が提供するストックフォトサービスです。クリエイターが高品質な写真、イラスト、ビデオクリップ、テンプレートなどのコンテンツを提供し、ユーザーはこれらの素材をライセンス契約して使用できるというプラットフォームです。
Adobe Creative Cloudアプリケーション(Photoshop、Illustrator、Premiere Proなど)と連携し、直接アプリケーションから素材を検索・ダウンロードし、作業をスムーズに進めることができる為、多くのデザイナーやクリエイターに利用されています。

コントリビュータープログラムとは…
クリエイターが作品をAdobe Stockに投稿して収益を得ることができるプログラムのこと。Adobe Stockのサイトから自分の作品を販売し、他のユーザーに提供することができます。

現在、私が登録しているストックフォトサイトは3つ(AdobeStock・PIXTA・shutterstock)あるのですが、Adobe Stockは、その中で最も審査基準が厳しく、そして最もよく売れます。他社では採用された作品もAdobe Stockでは容赦無く却下されるのが日常で、審査基準はかなり厳しいと思います。でも、審査が厳しいということは、それだけ高品質な素材しか採用しないということ。私がストックフォトを利用する際には、まず、品質に定評のあるAdobe Stockから探そうと思いますし、写真を撮影する際には、Adobe Stockの採用基準に適うものを作りたいと思います。
それではAdobe Stockが設ける審査基準とはどのようなものなのでしょうか。

最近撮ったヒマワリ。競合多数でも需要の多い被写体は売れますね。

Adobe Stockの審査基準

  • 技術的な要件
  • 提供される写真やイラスト、ビデオなどの素材は、解像度やフォーマットなどの技術的な要件を満たしている必要があります。ノイズやブレ、不適切な露出などの技術的な問題がある素材は審査に合格しません。(私はほとんどこの理由で却下されています)

  • 著作権とライセンス
  • 提供される素材は著作権を侵害していないことが求められます。また、商用利用可能なライセンスを持つことが必要です。自分が撮影した作品であることや、使用されている素材が合法的に入手されたものであることを証明する必要があります。

  • コンテンツの品質
  • 提供される素材は高品質でなければなりません。照明、構図、色合いなどが適切で、クリアで美的または商業的魅力があるコンテンツが求められます。

  • モデルとプロパティリリース
  • 人物や私有財産などが写っている場合、適切なモデルリリースやプロパティリリースが必要です。これらのリリースがない場合は、審査に合格しません。

Adobe Stockの審査は厳格ですが(年々厳しくなっていると評判)これらの基準を満たす高品質なコンテンツを提供することで、多くのクリエイターが成功しているのも事実です。しっかりと審査基準を理解し、採用される為には適切な素材を提供することが重要ですね。

シロバナヒガンバナ
そろそろ秋の写真が売れ始めています。ヒガンバナでも白いのは珍しいですよね。

Adobe Stockで採用される為に私が工夫している5つのこと

  • 作品のクオリティに注意する。
  • Adobe Stockは特にノイズに厳しいので、ちょっと怪しいなあと思う写真は必ずノイズ除去をします。あと、Instagramで日本人に人気があるような薄くふわっとした写真、被写体がフワフワしたもの、水面の揺らぎ、大きなボケ等もAIにはねられやすいので投稿しないようにしています。

  • キーワードをたくさんつける。
  • 競合が少ない被写体の場合は、そのものとわかるキーワードだけでも購入されることが多いですが、競合が多い被写体になればなるほどキーワード付けを頑張った方がいいようです。制作サイドが求めがちな「コピースペース」「背景」などのキーワードは入れた方が検索されやすくなりますよ。桜の写真を投稿した時にはかなりキーワード付けを頑張りました。その甲斐あってか、現在最も売れている作品は競合多数の桜の写真だったりします。

  • 一度に同じ被写体を提出しない。
  • 審査中の写真に同一の被写体が存在するといずれかが却下されることが多いようです。同じ被写体の写真を投稿する時には審査時期をずらして提出する方が採用率が上がると思います。

  • 競合が少ない被写体を選ぶ。
  • こんなもの撮ってもなあ…と思うものが意外と売れたりするのがストックフォトの面白いところです。ただ、Adobeさんの場合は美的基準が厳しいと思うので、まず絵的に綺麗で珍しいものという基準で対象を探して撮ったりしています。

  • 気にしない、あきらめない。
  • 全般的に審査が厳しいAdobe Stockですが、日によってとてもスムーズに審査が通る時と容赦無く十数枚一気に却下される時があります。最初にAIがチェックしているようですが、人間による審査となると、担当者によって差が出てくるように思います。だから、「この写真結構いいのになぜ却下なの?」と思った時にはファイル名を変えて再提出するとしれっと採用されたりすることがあります(個人の意見です)。だから、却下されても落ち込まず、気にしない。少しだけレタッチしてあきらめずに投稿してみたら採用されるかも?しれませんね。

他にも、季節のイベントに関連する作品は、その2、3か月前に投稿すると、検索ランキングの上位に表示される可能性が非常に高くなるそうです。特に年賀状などの干支関連のコンテンツは、みなさん半年前から投稿されているようですよ。

キキョウ
桔梗の花。構図が気に入っています。これも売れた写真です。

工夫を凝らした写真のレタッチ、面倒なキーワード付け作業を経て、晴れて審査に通過したとしても、ユーザーのニーズに合致し、気に入って頂けないと購入されないのがストックフォトです。厳しい。
売れたとしても単価が高いわけではない(ストックフォトの業界の中ではAdobeは高い方)ので、数売れないと微々たる収益。ほんとうに写真が好きじゃないとやってられない作業なのかもしれません。でも、Adobe Stockは商用利用可能なライセンスを提供しているので、自分の写真がもしかすると世界の広告やマーケティング、Webデザイン、印刷物など、商業的なプロジェクトに採用されるかもしれません。そういった「お金じゃない楽しみ」の部分に価値を見出せる人でないと継続は難しいのかな。

最もよく売れる桜の写真。河津桜は一般的な桜(染井吉野)に比べると色が濃いので写真映えします。桜の枝のフレーム感とみんな大好きな青空効果で人気が出たのかな。

以下に、参考になるのかどうかわかりませんが(多分ならない)この約半年間の私のAdobe Stock生活を箇条書きにまとめてみます。

その後のAdobe Stock (2022/11-2023/07)

2022年11月
2週目ぐらいから売り上げが落ち苦戦。登録枚数は月末に900枚になる。

2022年12月
売れ行き好調。12月はよく売れます。登録枚数1.000枚達成!

2023年1月
1月は売れません。私の写真販売は花の写真がメインですから。

2023年2月
2月も売れません。私の写真販売は花の写真がメインですから。

2023年3月
花咲く春がやってきた!売上好調。

2023年4月
花咲く春は売上好調!

2023年5月
花咲く春は売上好調!売上枚数の最高記録達成!

2023年6月
6月は不調。無料コレクション(買取)に助けられる。

2023年7月
前半不調。なぜか最後の週にまとめて売れる。登録枚数1.835枚。(今ココ)

春に撮ったモッコウバラも人気で複数枚売れています。

最近はAdobeさんの審査が激遅の為、あまりアップできていないのですが、それでもそこそこの売上はキープできています。ストック収入ってすごい。始めたての昨年と比べると好調な売れ行きです。お買い上げありがとうございます!

Adobe Stockコントリビュータープログラムを通して、あらためて写真の楽しさと難しさを実感しています。私のストックフォトは場を想定して作り込むことのない素人的お散歩写真です。売れたとしても上限は見えている感じですが、作り込むことが得意な方や、ほんとうに写真がお上手な方はストックフォトで限界突破できそうですね。今後は、量より質を重視してよりクオリティの高いコンテンツを提供できるよう頑張っていきたいと思います!写真が売れる喜びは何にも替えがたいもの。写真を撮るのが好きな方は、ぜひ一度Adobe Stockコントリビュータープログラムを試してみてくださいね。

▲私のAdobe Stockはこちら。激戦テーマの「花と植物」がメインです。寄稿者が多すぎるから「花は売れない」とよく言われますが、また需要も多いテーマなので、これからも花を撮り続けていこうと思っています!よかったら使ってくださいね〜。